社会福祉士とは?



社会福祉士は、いわゆる「ソーシャルワーカー」と呼ばれる社会福祉専門職の国家資格です。
身体的・精神的・経済的なハンディキャップのある人から相談を受け、日常生活がスムーズに営めるように支援を行ったり、困っていることを解決できるように支えることが主な仕事となります。また、他分野の専門職と連携して包括的に支援を進めたり、社会資源を開発する役割も求められます。少子高齢社会がすすみ、さまざまな福祉的課題が注目される現在、社会福祉士への期待はますます高まっており、地域を基盤として、さまざまな場所で活躍しています。


【CONTENTS】

①社会福祉士は名称独占の資格
②社会福祉士の仕事の内容は?
③どんな人を対象に、どんなところで働くの?
④資格を取るまでの道のりは?
⑤社会福祉士国家試験について
⑥受験対策商品のご案内

社会福祉士とは

①社会福祉士は名称独占の資格

社会福祉士は、1987年の「社会福祉士及び介護福祉士法」制定と同時に誕生しました。 国家資格には「名称独占」と「業務独占」の2種類の資格がありますが、社会福祉士の資格は「名称独占」です。資格を持っている人だけが「社会福祉士」と名乗れますが、業務に関しては資格を持っていない人も行うことが可能です。医師や看護師などの資格は「業務独占」となります。


②社会福祉士の仕事の内容は?

社会福祉士の仕事の範囲や対象は多岐にわたります。高齢者や障害者、ひとり親家庭などの相談にのり、それぞれの状況に応じた支援を行います。また、行政や医療機関など各関連施設をつなぐ役割も担います。
社会福祉士資格取得者が働く職場としては社会福祉施設等が多く、その他社会福祉協議会、医療機関、行政機関、独立型社会福祉士事務所等が代表的なものです。

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地域包括支援センターで働くソーシャルワーカーのある一日

08:30出勤後、朝礼。
09:00巡回入浴を希望しているSさん宅を訪問。家族と具体的なスタート時期について打ち合わせをする。
11:00センター利用希望者からの電話相談を受ける。デイサービスやショートステイなどの支援サービスから、介護用品や住宅リフォーム、経済的・精神的な悩み事まで、その内容は実にさまざま。来所をすすめたり、関係機関との調整を行ったりとフレキシブルな対応が求められる。
12:30昼休み。自宅が近いので、自転車で帰宅して昼食をとることが多い。大好きなコーヒーを飲んでホッとひと息。
13:00市役所にて関係機関との定例連絡会議。その帰りに、手すりを取り付けたいというOさん宅に寄って打ち合わせ。
16:30センターに戻って指定契約業者に連絡し、手すり取り付け工事を依頼。福祉事務所に提出する公的書類の作成などのデスクワーク。
17:00相談の電話が入ったので急遽対応。
18:30退勤

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③どんな人を対象に、どんなところで働くの?

高齢者

対象施設で暮らす高齢者、施設や機関を利用する高齢者、およびその家族など
職場特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスセンター、地域包括支援センターなど
職種ソーシャルワーカー、生活相談員(指導員)など

子ども

対象精神的・肉体的ハンディキャップのある子ども、虐待や生活上の理由などで保護者の養育を受けられない子ども、非行・不良行為に関わる子ども、およびその家族など
職場児童相談所、児童養護施設、障害児入所施設、母子生活支援施設、母子福祉センター、児童自立支援施設など
職種児童福祉司、児童指導員、母子相談員、少年指導員、児童自立支援専門員など

障害者

対象障害者、およびその家族など
職場障害者支援施設など
職種生活相談員(指導員)、作業指導員など

生活に困っている人

対象母子家庭、障害者、高齢者、失業者、生活困窮者など
職場福祉事務所など
職種現業員(ケースワーカー)、査察指導員(スーパーバイザー)、専門職員など

地域に住む人たち

対象地域社会における個人、家族、各種の住民団体や住民組織など
職場社会福祉協議会(社協)など
職種コミュニティワーカー、コーディネーターなど

④資格を取るまでの道のりは?

社会福祉士の資格を得るためには、「社会福祉士国家試験」に合格しなければなりません。
国家試験を受けるまでにはさまざまな道のりがありますが、大きくは大学等で指定科目を履修する、短大等で指定科目を履修して実務1~2年を経験する、養成施設を経るという3つのルートに分けられます。

ルート1 大学等で指定科目を履修して国試受験

最も多くの方が通られているルートです。福祉系の大学で指定科目を履修して、通常は大学卒業前に国家試験に臨みます。学生時代で受験勉強をすることになるので、時間を確保しやすく、このルートの方は合格率も高くなる傾向にあります。

ルート2 短大等で指定科目を履修、実務を経験して国試受験

福祉系の短大等で指定科目を履修し、社会人として相談援助実務を経験してから国家試験を受験します。3年制短大卒業の場合は実務1年、2年制短大の場合は実務2年が必要です。

ルート3 一般養成施設・短期養成施設を経て国試受験

一般の大学・短大等で基礎科目のみ履修で卒業し、その後養成施設等に入って受験に臨むルートです。短大卒業の場合は相談援助実務経験も必要になります。
大学・短大での履修内容によって必要な経験がわかれていますので、詳しくは試験センターHPをご参照ください。


なお、以前は実務経験5年以上があれば国試を受けられましたが、現在は実務経験4年に加えて短期養成施設を経ることが必要となっています。

受験資格の詳細は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターを参照ください。

⑤社会福祉士国家試験について

国家試験は、年1回2月初旬に行われます。筆記試験のみで、5つの選択肢から1つ(または2つ)を選ぶ形式です。

※次回の国家試験実施予定 2024年2月4日(月)10:00~15:35


試験科目

試験科目は、次の19科目(6科目群)、合計129問です。

<共通科目>
1.医学概論
2.心理学と心理的支援
3.社会学と社会システム
4.社会福祉の原理と政策
5.社会保障
6.権利擁護を支える法制度
7.地域福祉と包括的支援体制
8,障害者福祉
9.刑事司法と福祉
10.ソーシャルワークの基盤と専門職
11.ソーシャルワークの理論と方法
12.社会福祉調査の基礎

<専門科目>
1.高齢者福祉
2.児童・家庭福祉
3.貧困に対する支援
4.保健医療と福祉
5.ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
6.ソーシャルワークの理論と方法(専門)
7.福祉サービスの組織と経営

第36回(2023年度)受験データ(厚生労働省発表)

受験者数/34,539名
合格者数/20,050名
合格率/58.1%

 合格体験記は、こちらを参照ください。

資格取得等に関する問い合わせ先

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

150-0002 東京都渋谷区渋谷1-5-6 SEMPOSビル
TEL:03-3486-7521
国家試験情報専用電話 TEL:03-3486-7559



⑥受験対策商品のご案内

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