登録販売者とは?
登録販売者は、ドラッグストアや薬店などでかぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品を販売できる専門資格です。各都道府県で試験が実施される公的資格で、社会的信用度も高く活躍の場も幅広いため、近年注目されている資格のひとつです。
【CONTENTS】
①登録販売者の仕事とは?②登録販売者資格の強みとは?
③受験に必要な資格や条件は?
④登録販売者試験の内容は?
⑤役立つ書籍のご案内
①登録販売者の仕事とは?
「登録販売者制度」は2009年に薬事法が改正され、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が成立したことにより誕生しました。登録販売者はドラッグストアや薬店などで一般用医薬品(大衆薬)の販売にかかわる専門資格です。
従来、薬の販売には薬剤師が必ず携わらなければなりませんでしたが、この法改正により、一般用医薬品の約9割を占める第二類・第三類医薬品を登録販売者が販売できるようになりました。
一般用医薬品は、副作用等のリスクの程度に応じて3つに分類されます。「リスクが特に高い」とされるものを除き、「リスクが比較的高いもの」「リスクが比較的低いもの」とされる医薬品については、薬剤師とともに登録販売者も必要な情報提供・相談対応をして販売を行うことができます。
医薬品のリスク分類 | リスクが特に高いもの (第一類医薬品) | リスクが比較的高いもの (第二類医薬品) | リスクが比較的低いもの (第三類医薬品) |
---|---|---|---|
対応する専門家 | 薬剤師 | 薬剤師または登録販売者 |
②登録販売者資格の強みとは?
登録販売者の資格は、社会的信用も高く一般用医薬品を扱うさまざま小売業への就職・転職、スキルアップの際に有用です。ドラッグストアや薬店だけでなく、コンビニエンスストア、スーパー、ホームセンター、家電量販店などでも一般用医薬品を取り扱っており、資格を活用できる場が広がっています。健康や医薬品に関する知識を備えているので、病院や調剤薬局の事務としても活躍の場があります。
また、一定の経験を積んだ登録販売者は、その店舗の構造設備管理や医薬品などの物品管理といった店舗管理を行う「管理者」を担うことができます。
③受験に必要な資格や条件は?
登録販売者資格を取得するには、各都道府県において実施される試験を受けて合格しなければなりませんが、実務経験等の要件は不要です。
管理者等になるためには一定の要件が必要となりますが、資格取得に限ってはどなたでも受験することができます。
④登録販売者試験の内容は?
登録販売者試験は、都道府県によって難易度等に差がでないように、また内容についても一定の水準が保たれるように、国の関与・指導の下で実施されます。
試験方法・試験問題
試験方法は筆記試験とされ、真偽(〇✕)式や多肢選択式等の方法です。
試験問題は、都道府県が厚生労働省作成「試験問題の作成に関する手引き」及び「例題」に準拠して作成されます。
試験実施回数・時期
少なくとも年1回以上、定期的に実施されます。
(試験日時、試験会場、受験願書の受付期間などについては、各都道府県にご確認ください。)
出題方針
登録販売者が、医薬品販売の最前線において、実際に購入者に情報提供や相談対応を行うことができるよう、実務的な内容が出題されます。
試験項目、出題数、試験時間
試験項目 | 出題数 | 配分時間 |
---|---|---|
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20 | 40分 |
人体の働きと医薬品 | 20 | 40分 |
主な医薬品とその作用 | 40 | 80分 |
薬事関係法規・制度 | 20 | 40分 |
医薬品の適正使用・安全対策 | 20 | 40分 |
合 計 | 120 | 240分 |
合格基準、実施状況
総出題数に対して7割程度の正答で、試験項目ごとに都道府県知事が定める一定割合以上の正答のときに合格とされます。
2022年度実績
受験者数/55,606名
合格者数/24,707名
合格率/44.4%