介護福祉士とは?



介護福祉士は、介護に関する専門職の国家資格です。1987年の「社会福祉士及び介護福祉士法」制定と同時に誕生し、高齢化の進展とともにその重要性が注目されてきました。
介護が必要な高齢者や障害のある人に対して、日常生活がスムーズに営めるように、その人の状況に応じた介助をしたり、介護に関する相談に応じたり、介護者に対する介護に関する指導を行ったりすることが主な仕事となります。


【CONTENTS】

①介護福祉士は名称独占の資格
②介護福祉士の仕事の内容は?
③どんな人を対象に、どんなところで働くの?
④資格を取るまでの道のりは?
⑤介護福祉士国家試験について
⑥受験対策商品のご案内

①介護福祉士は名称独占の資格

国家資格には「名称独占」と「業務独占」の2種類の資格がありますが、介護福祉士は「名称独占」です。資格を持っている人だけが「介護福祉士」と名乗れますが、業務に関しては資格を持っていない人も行うことが可能です。医師や看護師などの資格は「業務独占」となります。


②介護福祉士の仕事の内容は?

介護福祉士の仕事の範囲は多岐にわたります。

高齢者や身体上・精神上の障害がある人の身じたく、移動、食事、入浴・清潔保持、排泄、睡眠などといった身辺介助だけでなく、健康管理家事援助のほか、介護計画の作成他職種との連携、本人や家族からの相談対応などがあげられます。
2011年の「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正では、介護福祉士の業務に喀痰吸引と経管栄養が追加され、医行為の一部を行うことができるようになるなど、介護福祉士への期待はますます高まっています。

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特別養護老人ホームで働く介護福祉職のある一日

08:30今日は日勤。出勤したらすぐに介護日誌に目を通して、前夜あったことをチェック。施設内をひと回りして、入所者に声をかける。
09:00スタッフミーティング。夜勤スタッフからの報告を受ける。Tさんについての報告の中で気になる症状があったので、看護職員に相談する。
10:00排泄介助、ベッドメーキングなどのヘルプ。スタッフが1人風邪で欠勤したので、人手不足で忙しい!
11:00昼食介助。自室から食堂までの移動介助や食事介助を行う。食後には口腔ケアやトイレへの案内も。
12:30昼休み。同僚とおしゃべりしながらスタッフルームでお弁当を食べる。唯一、ほっとひと息つける時間。
13:30入浴介助。Nさんが「気持ちいい」と笑顔を見せてくれた。うれしい!
15:00カンファレンス。入所者の家族にケアプランを提示し、今後の方針などを話し合う。
17:00緊急会議。施設の運営方針について話し合わなくてはならない件が発生し、各担当責任者が集まる。
18:00退勤。自宅に帰って夕飯作り。

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③どんな人を対象に、どんなところで働くの?

高齢者

対象施設で暮らす高齢者、施設や機関を利用する高齢者、在宅で介護を受けている高齢者、およびその家族
職場特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスセンター、グループホーム、対象者の自宅など

障害者

対象障害者、およびその家族
職場障害者支援施設、グループホーム、福祉ホーム、対象者の自宅など

④資格を取るまでの道のりは?

介護福祉士の資格取得ルートは大きく分けて、「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」の4つのルートがあります。どのルートにおいても介護福祉士国家試験を受験し合格することが必要です。


ルート1 養成施設ルート

指定された養成施設等で介護福祉士に必要な知識と技能を修めて卒業(修了)し、国家試験に合格することで資格を取得するルートです。
なお、養成施設を2026年度末までに卒業する方は、卒後5年間は国家試験に合格しなくても介護福祉士になることができます。5年間の内に国家試験に合格するか、連続して介護等の業務に従事することで、5年後も介護福祉士の登録を継続することができます。

ルート2 実務経験ルート

実務経験を活かして資格取得を目指すルートで、最も受験者の数が多いルートです。
国家試験を受験するには、3年以上の介護現場での実務経験かつ540日以上の従事日数に加えて、実務者研修(450時間)または介護職員基礎研修・喀痰吸引等研修の修了が必要となります。


※介護職員基礎研修は2012年度に廃止されています

ルート3 福祉系高校ルート

2009年度以降に福祉系高校に入学し、定められた科目・単位を取得、卒業(卒業見込み含む)して、国家試験を受験し資格を取得するルートです。
2008年度以前に福祉系高校に入学し卒業した方や特例高校等を卒業し実務経験が9か月以上ある方は、実技試験の免除を希望する場合、介護技術講習、介護過程、介護過程IIIのいずれか1つを修了または履修し、国家試験に合格して資格を取得することができます。

ルート4 EPAルート

経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)に基づいて入国し、受入れ施設において介護福祉士資格取得を目的とした研修を受けながら就労する外国籍の方が受験するルートです。現在対象は、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3国となっています。

※詳細及び最新情報は公益財団法人社会福祉振興・試験センターにお問い合わせください。


⑤介護福祉士国家試験について

国家試験は年1回1月下旬に行われます。筆記試験のみで、5つの選択肢から1つを選ぶ形式です。

※次回の国家試験実施予定 2025年1月26日(日)

試験科目

試験科目は、下記の12科目+総合問題となります。総合問題では、4領域(人間と社会、介護、こころとからだのしくみ、医療的ケア)の知識および技術を横断的に問う問題が、事例形式で出題されます。

  1. 人間の尊厳と自立(2問)
  2. 人間関係とコミュニケーション(4問)
  3. 社会の理解(12問)
  4. こころとからだのしくみ(12問)
  5. 発達と老化の理解(8問)
  6. 認知症の理解(10問)
  7. 障害の理解(10問)
  8. 医療的ケア(5問)
  9. 介護の基本(10問)
  10. コミュニケーション技術(6問)
  11. 生活支援技術(26問)
  12. 介護過程(8問)
  13. 総合問題(12問)


出題基準・合格基準

財団法人社会福祉振興・試験センターにより「出題基準・合格基準」が公表されています。
出題基準・合格基準の詳細はこちらを参照ください。

筆記試験内容

出題形式/5つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式
出題数/125題

第36回(2023年度)受験データ(厚生労働省発表)

受験者数/74,595名
合格者数/61,747名
合格率/82.8%
*( )内は前年データ。

 合格体験記は、こちらを参照ください。

資格取得等に関する問い合わせ先

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
150-0002 東京都渋谷区渋谷1-5-6 SEMPOSビル
TEL:03-3486-7521
国家試験情報専用電話 TEL:03-3486-7559


⑥受験対策商品のご案内