テレビなどで大量のモノに埋もれた「ごみ屋敷」が取り上げられる際、住人は「変わり者」や「困った人」として映し出されがちです 。
しかし、その壁の向こう側で、ごみ屋敷に住む人がどのような困難を抱え、なぜ助けを求められないのかという「本人のストーリー」にまで踏み込んだ報道は多くありません。
本書『ごみ屋敷に住む人の心理と支援がわかる本』は、長年セルフ・ネグレクトや孤立死の研究に携わってきた著者らにより、現場で即座に役立つ知見をまとめた一冊です。
なぜ、彼らは「ごみ」を捨てられないのか?――支援者のための「心理的理解」と「具体的アプローチ」

なぜ、「ごみ」を捨てられないのか?
ごみ屋敷に住む人の多くは、「自己放任(セルフ・ネグレクト)」の状態にあります。彼らは決してだらしないわけではなく、認知症や精神疾患、障害、あるいは大切な家族との死別といった「喪失体験」による強いストレスから、自分自身をケアする力を失ってしまっている状態にあるといえます。本書では、ごみ屋敷に住む人がモノをため込む背景を次のような視点で解き明かします。
・孤独を埋めるための「モノ」:
人は裏切るけれど、モノは裏切らないという切実な思い。
・「助けを求める力」の低下:
SOSを発信できない状態を、行政や周囲による「ネグレクト」にしてはいけないという視点 。
・ライフステージごとの孤立:
高齢者だけでなく、8050問題やひきこもり、子育て世帯など、若年層にも広がる実態 。
人は裏切るけれど、モノは裏切らないという切実な思い。
・「助けを求める力」の低下:
SOSを発信できない状態を、行政や周囲による「ネグレクト」にしてはいけないという視点 。
・ライフステージごとの孤立:
高齢者だけでなく、8050問題やひきこもり、子育て世帯など、若年層にも広がる実態 。
支援のゴールは「片付ける」ではなく「生活の再構築」
支援者が陥りがちな罠は、無理にごみを捨てさせようとして拒絶され、関係が途絶えてしまうことです。本書では、「説得」ではなく「納得」「理解」を促すためのアプローチをわかりやすく解説しています。
・動機づけ面接法:
「変わりたいけれど、変わりたくない」という本人の心の揺れに寄り添う会話術
・ハームリダクション:
完全な解決を急がず、まずは火災や健康被害などの「被害」を減らすことを優先する考え方
・ストレングスモデル:
できないことではなく、本人の強み(趣味や得意なこと)を突破口にする支援
「変わりたいけれど、変わりたくない」という本人の心の揺れに寄り添う会話術
・ハームリダクション:
完全な解決を急がず、まずは火災や健康被害などの「被害」を減らすことを優先する考え方
・ストレングスモデル:
できないことではなく、本人の強み(趣味や得意なこと)を突破口にする支援
自治体の先駆的な取り組みと“あるある”事例
本書では理論のみならず、全国の自治体が進める横断的な取り組みも詳しく紹介しています。全国初のごみ屋敷条例をつくるとともに、精神科医がチームに加わる「ごみ屋敷対策相談医」制度などを展開する「東京都足立区」。分野を問わず相談を受け止める「重層的支援体制整備事業」の活用をすすめている「埼玉県川口市」。「京都市」では本人の意思を尊重し、時間をかけて行動変容を待つ「人への支援」に取り組んでいます。
また、本書には、現場で遭遇しがちな具体的な事例を掲載。意思決定支援のプロセスが、漫画などとともに視覚的に理解できるよう構成されています。
また、本書には、現場で遭遇しがちな具体的な事例を掲載。意思決定支援のプロセスが、漫画などとともに視覚的に理解できるよう構成されています。
「誰もがなる可能性がある」という視点から
「ごみ屋敷になるのは決して特別な人ではありません。誰もがなる可能性があります」と本書では述べられています。本書は、地域包括支援センターの職員やケアマネジャー、ソーシャルワーカー、保健師、訪問看護師などの専門職だけでなく、自治体の職員や民生委員、自治会役員、そして「もしかして自分や家族も……」と不安を感じている市民の方々にとっても、問題解決の明るい光となるはずです。
つながり続けることが、命を救う。そんな支援の極意が詰まった一冊を、ぜひお手元にお迎えください。
つながり続けることが、命を救う。そんな支援の極意が詰まった一冊を、ぜひお手元にお迎えください。
▼刊行記念セミナーも大盛況▼



