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本書の「はじめに」から、一節を引用します。
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これまで認知症当事者として、800人を超える当事者と出会い、ゆっくりと話を聞いてきました。
その多くはピアサポートの場でした。(中略)
家族や支援者から「この人まったく話せないんですけど」と紹介された方もたくさんいました。そして、家族や支援者の言うとおりにまったく話せなかった人は、誰1人いませんでした。そして、互いに自分の話をした後に、見違えるように元気に、前向きになって帰っていく姿をいつも見てきました。
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この文章は、昨年、編集者が数年ぶりにお会いした丹野さんから実際に聞いたお話とほとんど同じです。これらの言葉が、本書の生まれるきっかけでした。
丹野さんのこの話をきいて、「認知症の診断を受け、不安や絶望のなかにある当事者の方が、丹野さんのピアサポートを通じて少しずつ前を向いて歩きだす風景」が私のなかに見えました。
診断当初の絶望を超え、今を元気に過ごしている「丹野さんの存在そのもの」を目の当たりにして、他の当事者の方が勇気づけられるのだと思いました。
「ピアサポートのなかで、丹野さんは当事者の方にどんなことを語っているのですか?」
「丹野さんが語ることを本にして、当事者の読者に疑似ピアサポートを届けられないでしょうか?」
そんな無茶な相談を、丹野さんは嫌な顔一つせず前向きに受けとめ、そして文章を書いてくれました。
そんなわけで、本書はまず「認知症の当事者の方に読んでいただくための本」です。
そして、その周囲にいらっしゃる家族や支援者のために役立つこともまとめました。
広く手に取って知っていただきたい、考えていただきたいことが満載の1冊です。