被災地の子どものこころケア 東日本大震災のケースからみる支援の実際
東日本大震災後、子どもたちの「こころの復興」を目指して支援活動を展開してきた3人の精神科医の実践をもとに、被災地の現状や必要な支援をまとめた一冊。
医療、教育、行政と連携しながら、被災地での子どものこころのケアについて、事例に基づき具体的に提示・提案する。
目 次
第1章 医療の場面から
1 医療現場における支援活動
2 ケースからみる支援の実際
CASE1
震災から5年目でようやく当時のことを話し始める
―子どもの心的外傷性悲嘆
CASE2
頭痛や腹痛、意識消失発作を繰り返し、不登校に
―子どものPTSD(トラウマ反応の身体化、遅発性PTSD)
CASE3
サイレンを怖がり、集団不適応となる
―子どものPTSD(ポスト・トラウマティック・プレイ)
CASE4
夜中に突然激しく泣き叫ぶ
―夜驚症(過覚醒反応)
ほか
3 医療の立場からみえてきたこと
第2章 行政・福祉の場面から
1 行政・福祉における支援活動
2 ケースからみる支援の実際
CASE1
赤ちゃん返りを呈する
―急性ストレス反応、退行
CASE2
避難所のハイテンションな子どもたち
―過覚醒、適応的再演
CASE3
頑張りすぎて疲労してしまう
―過剰適応
CASE4
仮設住宅で虐待が疑われる
―注意欠如・多動症(ADHD)
ほか
3 医療・行政・福祉の連携からみえてきたこと
第3章 教育の場面から
1 教育現場における支援活動
2 ケースからみる支援の実際
CASE1
学校で地震ごっこや津波ごっこをする子どもたち
―ポスト・トラウマティック・プレイ、適応的再演
CASE2
学校と保護者の対立
―学校・家庭との連携
CASE3
非難に伴う転校先でなかなか適応できない発達障害のある子ども
―発達障害、合理的配慮
CASE4
非難に伴う転校先でいじめに遭う
―いじめの構造
ほか
3 教育現場における多職種支援
~チームが行っていくべきこと
第4章 被災地における子どもと保護者
1 被災地支援における研究の紹介
2 研究の進捗状況とこれまでの研究結果
著者 | 松浦直己=編著/八木淳子、福地 成、桝屋二郎=著 | 判型 | A5 |
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ISBN | 978-4-8058-5779-3 | 頁数 | 204頁 |
発行日 | 2018年11月30日 | 価格 | 2,420円(税込) |